月額ホームページを解約するときは、先に「何を引き継ぐか」と「いつ止まるか」を確認しましょう。
サイトを移しても、同じ契約に含まれるメールやドメインまで引き継げているとは限りません。

基本の順序は、資産の確認、移行先の準備、切り替え、動作確認、旧サービスの終了です。
ただし、解約の申請には締め切りがあります。申請を最後まで待つのではなく、停止日と移行日程を先に調整します。
この記事では、その調整に使える資産台帳と確認表を用意しました。

ホームページの契約を見直す際、サイト以外に何を引き継ぐか迷っている方へ。ドメインやメールも含めて、確認する順序を整理します。

解約すると止まるものを洗い出す

サイト・ドメイン・DNSは別の管理対象

サイトはページや画像などのデータ、ドメインはインターネット上の名前、DNSはその名前から接続先を案内する仕組みです。
一つの制作会社にまとめて依頼していても、契約や管理画面が別になっていることがあります。

「ドメイン移管」は、一般にドメインを管理する事業者を変える手続きです。
サイトデータのコピーやメールの移行まで自動で済むという意味ではありません。
担当者と話すときは、どの対象をどこへ移す作業なのかを明確にします。

管理対象現在の管理者に確認すること移行先で用意すること
サイト本体CMS、データの受け取り可否、停止日動作する環境、ページと画像、管理権限
ドメイン登録管理会社、契約者、更新期限、移管条件移管先または継続管理先、自社の担当者
DNSネームサーバー、登録済み設定、解約時の扱い引き継ぐ設定と変更する設定の一覧
メールメールサービス、アドレス、過去メール、容量必要なアドレス、過去データの移行方法
フォーム送信方法、通知先、自動返信、保存データ新環境での送受信と迷惑メール対策
外部サービス予約、決済、解析、地図などの契約と権限継続契約、接続設定、自社で管理できる権限

台帳には、この表に加えて「自社担当者」「契約先の窓口」「確認済みの日」「未確認事項」の列を設けます。
分からない欄は空欄で済ませず、「旧制作会社へ確認中」のように次の行動を記録してください。
パスワードや移管用の認証コードは、広く共有する台帳に書き込まず、別の安全な方法で受け渡します。

メールと外部サービスを忘れない

代表メールだけでなく、採用窓口、予約通知、担当者別アドレスも調べます。
転送専用の宛先や、フォームから送信するための設定が残っていないかも確認します。

サイト内に予約画面を埋め込んでいる場合、サイト契約の終了と予約サービス契約の終了は別の判断です。
サイトを作り直しただけで外部サービスまで解約したり、不要な契約を残し続けたりしないよう、継続・変更・終了を一つずつ決めます。

期限と引き継ぎ条件を確認する

解約申請日と停止日を分けて考える

最低契約期間、解約申請の締め切り、停止日、データを取り出せる最終日を確認します。
この四つの日付は同じとは限りません。

たとえば、ホームページステーションの公開案内では、初期契約期間を1年、解約申告を契約終了期日の1か月前までとしています。
一方、あきばれホームページは、手続きサイトで締め日を確認する方式を案内しています。
いずれも各サービスの例であり、他社の契約に同じ期限を当てはめることはできません。
ホームページステーションの公式案内・あきばれホームページの解約FAQ(2026年10月23日確認)

決める日付確認する内容記録の例
申請期限何日までに、何を提出して受理される必要があるか申請書の提出先と受理連絡を保存
データ受領日納品形式、受け取り方法、追加料金移行担当者が開ける形式か確認
切替予定日サイトとメールを同時に変えるか、分けるか作業者と連絡先、実施時間を記録
停止予定日サイト・メール・DNSがそれぞれいつ止まるかサービス単位で日付を分ける
最終取得日過去メールやバックアップをいつまで取得できるか停止日より前に受領確認

停止日を変更できるか、移行が遅れた場合に延長できるかも、申請前に確認します。
延長できることを前提に作業日を決めず、期限までに移行できないと分かった時点で契約先へ相談してください。

データを受け取れるかと、再利用できるかを確認する

管理画面にログインできても、サイト全体を移行できるとは限りません。
独自の制作システム、提供会社のテンプレート、有料素材などは、契約によって扱いが異なります。
原稿・写真・デザイン・プログラムを分け、受領できる範囲と移行先で利用できる範囲を確認しましょう。

あきばれホームページのFAQでは、同社提供のシステム・デザインを他社で継続利用できない一方、利用者が追加した文章・画像などには継続利用できるものがあると説明しています。
自分のサイトも同じ条件だと判断せず、現在の契約書とサービスの回答を照合してください。
データの扱いを含む公式FAQ

費用は、契約終了に伴う支払い、データ納品、ドメイン移管、新しい環境の制作・設定、旧新環境の重複利用を分けて見積もります。
月額料金の差だけでは、切り替えに必要な総額を比較できません。

当社のテイガクウェブでは、公開案内で最低契約期間を24か月とし、24か月経過後の解約・休止とサイトの譲渡について案内しています。
解約の場合は最終支払月の末日にサイトが非公開になるため、移管を希望する場合は停止前にご相談ください。
移管の範囲・手数料・個別の適用条件は、テイガクウェブのサービス案内と契約内容をご確認いただきます。

移行先とバックアップを準備する

サイトを復元できる形で受け取る

WordPressでは、通常、ファイルとデータベースの両方が必要です。
画像だけ、記事の書き出しだけを受け取っても、同じ状態のサイトを復元できるとは限りません。
WordPress公式のバックアップ解説でも、この二つを区別しています。

バックアップの受領後は、取得日時、対象範囲、ファイルが開けること、移行先で復元できることを確認します。
実際の復元テストをしていない状態で「移行準備完了」としないことが大切です。
本記事は確認手順の提案であり、個別サイトの移行成功や復元テスト結果を示すものではありません。

作業中も記事・予約・問い合わせが増えるサイトでは、最初のコピー後に発生した差分をどう反映するか決めます。
「最終コピーを取る時刻」「更新を止める範囲」「新旧のどちらで受け付けた情報かを確認する担当」を共有しておくと、取りこぼしを探しやすくなります。

DNSとメールは変更前後の一覧を用意する

DNSの変更では、現在の設定を控えたうえで、変更が必要な項目を移行担当者と整理します。
サイトの接続先だけでなく、メールの配送先や送信認証、外部サービスの所有権確認に使う設定も含めて扱います。
意味の分からない設定を、不要と判断して一括削除しないでください。

メールも変更する場合は、切り替え前に新しい環境へ必要なアドレスを作成し、過去メールの保存・移行方法を決めます。
転送先、共有メール、各端末の送受信設定も対象です。
サイトだけを移し、メールは現在の事業者で継続する方法もあるため、両方を必ず同時に変更する必要はありません。

準備段階次へ進む条件条件を満たさないとき
資産と契約の確認管理者、受領範囲、停止日が分かっている未確認項目の窓口へ問い合わせる
移行先の用意必要なページ・メール・設定を準備できた切替日を再調整し、旧契約の期限を確認
バックアップ復元できるデータと手順を確認できたコピー範囲と復元環境を見直す
切替準備担当、手順、戻す条件、連絡方法を共有した作業を始めず、判断できる人を決める
切替後の確認主要機能と新旧環境の状態を確認できた問題を記録し、旧環境を止める前に対処
旧サービス終了残る依存関係と必要データがないと確認した対象サービスごとに終了可否を見直す

この表は日程の保証ではなく、作業を進める条件を決めるためのものです。
ドメインの種類や契約先によって移管条件が異なるため、必要な手続きと所要期間は現在の管理会社と移管先の両方に確認します。

サイトの移行準備ができても、メールや契約の終了時期が決まらないことがあります。現在の管理対象と未確認事項をもとに、進め方をご相談ください。

切り替え後に動作を確認する

トップページだけで完了にしない

会社案内、サービス、記事、問い合わせ、画像、PDFなど、実際に利用されるページを確認します。
URLを変更する場合は、旧URLから適切な新URLへ案内されるかも確認してください。
移行時に内容やURLまで一度に大きく変えると、不具合の原因を切り分けにくくなるため、変更点を記録しておきます。

確認対象確認する操作残す記録
ページと画像代表ページをPC・スマホで開くURL、確認日時、表示の結果
問い合わせフォームテストと分かる内容を送信する完了表示、管理者通知、自動返信の各結果
メール受信外部のアドレスから新環境へ送る宛先、受信時刻、迷惑メール判定
メール送信新環境から外部へ送り、返信も受ける差出人、到着先、返信の結果
予約など事前に合意したテスト方法で確認する本予約・課金が発生しない範囲と結果
計測必要なタグと対象イベントを確認する確認対象、テストデータの扱い

問い合わせフォームでは「送信完了」と表示されても、担当者への通知が届かない場合があります。
画面の結果とメールの到着を別々に確認し、自動返信を設定している場合は利用者側の受信まで確かめます。
テスト送信が成果計測へ混ざる場合は、運用担当者と扱いを決めて記録してください。

古い環境に届くメールも確認する

切り替えの情報が利用環境へ行き渡るまで、古いメール環境の確認が必要になることがあります。
BIGLOBEも、ドメイン転入後に旧サービスをすぐ停止せず、旧メール環境への着信状況を確認してから終了するよう案内しています。
BIGLOBEのドメイン移管後の注意事項

「一度新しい環境で受信できた」「数日経った」だけで一律に完了とせず、契約先の案内と実際の着信状況を確認します。
メールの過去データを取り出す作業と、新着メールが届くことの確認も分けてください。

不具合が出たときは、発生時刻、対象URLや宛先、直前の変更を記録して担当者へ渡します。
戻す場合も、新環境で受け付けた問い合わせや予約をどう保全するかを確認し、担当者の判断なしに旧状態へ戻さないようにします。

最後に旧契約とアクセス権を整理する

終了する契約と残す契約を照合する

サイトの移行が終わっても、ドメインやメールを旧会社で継続するなら、その契約は残します。
反対に、不要になった保守・オプション・自動更新が続いていないかも確認します。
カードの支払いを止めるだけで解約が完了すると考えず、指定の手続きと受理結果を確認してください。

終了前に確認するもの完了の判断
旧サーバーとメール必要な処理が残っておらず、保存対象を受領済み
ドメインとDNS継続先と更新担当が決まり、サイト・メールが利用できる
契約と請求受理された終了日、最終請求、残す契約が一致する
管理権限自社に必要な権限があり、旧担当者の不要な権限を整理できる
記録設定変更、テスト結果、受領データ、窓口が自社で参照できる

アクセス権は、引き継ぎが済む前にすべて削除するのではなく、自社担当者のログインと必要な操作を確認してから整理します。
移管用に一時共有した情報についても、終了後の扱いを決めておきましょう。

移行後の運用担当まで決める

移行したサイトには、その後も更新、バックアップ、障害時の対応が必要です。
「今月から誰が何を確認するか」を決めて、制作担当者から運用担当者へ引き継ぎます。
日常の運用項目は、Webサイト運用の業務と注意点も参考にしてください。

よくある質問

解約前にドメインを移せますか?

契約とドメインの状態によります。
現在の管理会社へ移管の可否、必要な認証・承認、期限を確認し、移管先と手順を調整します。
ドメインを移せても、旧契約に含まれるDNSやメールが継続するかは別に確認してください。

サイトを移すとメールも止まりますか?

必ず止まるわけではありません。
メールを同じサービスで継続でき、必要なDNS設定と契約が維持されていれば、サイトと別に管理できる場合があります。
ただし、一括契約の解約でメールも終了する場合があるため、管理対象ごとの停止条件を確認します。

サイトデータを持ち出せない場合はどうしますか?

新しい環境で作り直す範囲を決めます。
再利用できる文章・画像などを確認して保存し、ページ一覧と必要な機能を整理します。
見た目をコピーすればよいと判断せず、素材・デザイン・システムそれぞれの利用条件を確認してください。

解約を申請してから移行を始めても間に合いますか?

残り期間、受け取れるデータ、移行先の準備状況によります。
申請が済んでいる場合は停止日とデータ取得期限を先に確認し、未着手の作業を担当者へ共有してください。
間に合わない可能性があるなら、延長や一部サービスの継続ができるかを早めに相談します。

まずは資産台帳の未確認欄を埋める

月額ホームページの解約では、料金と申請方法だけでなく、引き継ぐ対象と停止する対象を分けることが出発点です。
サイト・ドメイン・DNS・メールを一覧にして、管理者、期限、受領方法を確認しましょう。

そのうえで、移行先を準備し、切り替え後の表示・フォーム・送受信を確認してから、不要になった旧サービスを終了します。
最初に行うことは、資産台帳の「誰が管理しているか分からない」欄を見つけ、確認先を決めることです。

今の契約で移せるものと、新しく準備するものを整理したい方へ。分かっている条件と未確認の点から、サイト移行の次の作業をご案内します。