「問い合わせは届くのに、営業の売り込みばかりが増えている」。
この状態で送信件数だけを成果にすると、フォームを改善できたのか判断しにくくなります。
入力しやすさとあわせて、どの連絡を相談成果として数えるかを決める必要があります。
アセントウェブでも、営業の連絡で「その他」が選ばれることがあり、選択肢を「その他・協業・営業」へ変更しました。
この記事では、その変更と現在の計測処理を題材に、フォームの点検方法を紹介します。
営業件数の削減率や問い合わせ率の向上は、まだ測定結果として示していません。
入力しづらさと、営業送信が成果に混ざる問題を整理したい方へ。フォームの表示から受信後の分類まで、確認する範囲を一緒に決めます。
最初に「どの相談を成果にするか」を言葉にする
相談の受付と、成果の集計を別々に考える
Web制作会社のフォームには、制作依頼、集客の相談、見積もり、取材、協業の提案、営業など、違う目的の連絡が届きます。
すべてを受信する運用でも、すべてを新規案件の成果にする必要はありません。
一方で、成果から外した連絡にも、返信や確認が必要な場合があります。
最初に、社内で使う「有効な相談」の定義を一文で決めます。
たとえば「自社サービスの利用を検討している相談を対象とし、売り込み・採用・既存案件の事務連絡は別集計にする」という定義が考えられます。
これは設計例です。協業を大切な成果と考える事業なら、別の目標として管理してください。
| 決めること | 記入する内容の例 | 決まらないと困ること |
|---|---|---|
| 成果の対象 | 制作・集客・AI活用の利用相談 | 担当者ごとに数え方が変わる |
| 別集計の対象 | 協業、営業、既存案件の連絡 | 件数が増えた理由を見誤る |
| 重複の扱い | 同じ案件の再送は受付記録で照合 | 一件の相談を複数と数える |
| 判断する人 | 内容を確認した受付担当 | 選択肢だけで確定してしまう |
| 集計の時点 | 受付時の自動判定と、確認後の分類 | 速報値と確定値が混ざる |
自社では「その他」をどう変えたか
変更前には、営業の売り込みが「その他」として届く事例がありました。
そこで、問い合わせ種別の表記を「その他・協業・営業」に変更し、通常のサービス相談とは区別する方針にしました。
受信した個人のメールや連絡先を掲載せず、選択肢の変化だけを下表に整理します。
| 確認箇所 | 以前に確認した状態 | 現在の状態・運用 |
|---|---|---|
| 問い合わせ種別 | 「その他」が選ばれた営業メールを受信 | 「その他・協業・営業」と表記 |
| 問い合わせの目的 | 営業を相談成果から外したいという課題 | 「サービスに関するお問い合わせ」と「その他・協業・営業」を選択 |
| サービスの相談内容 | 制作・マーケティング・見積もり等 | 「AI活用・DX支援について」も選択可能 |
| 成果の処理 | 営業が混ざらない定義を整備 | 目的・種別を確認し、対象外の選択を除外 |
2026年10月23日の通常お問い合わせフォームでは、目的を選ぶ欄と、複数の種別を選べる欄を確認しています。
種別は「制作に関する相談」「マーケティング支援について」「AI活用・DX支援について」「お見積りについて」「その他・協業・営業」です。
現在の処理では、サービス相談を選んでいても、種別に「その他・協業・営業」が含まれる場合は成果イベントを送らない条件になっています。
複数選択ができるフォームでは、このような混在時の扱いまで決めることが大切です。
選択肢では判断できない連絡も残る
営業担当者が「サービスに関するお問い合わせ」を選び、通常の種別だけで送れば、自動判定を通る可能性があります。
反対に、相談したい内容が見つからず「その他」を選んだ見込み客は、集計から外れる場合があります。
分類の名称を変えることは、本文の意味を完全に判定する仕組みではありません。
そのため、受付担当者が内容を確認した後の集計も残します。
「その他・協業・営業」に実際の相談が多く含まれるなら、選択肢の説明や相談カテゴリを見直す材料になります。
営業を排除するために、普通の相談者が選べる項目まで狭くしないようにします。
入力項目は、受付担当者の最初の仕事から決める
必須にする理由を、一項目ずつ書く
フォームを短くしたいときは、受付後にどのような返答をするかを先に確認します。
たとえば、メールで最初の案内をするなら返信先が必要です。
サイトの改修相談ではURLが参考になりますが、新規制作の相談者には、まだURLがないこともあります。
以下は、問い合わせ項目を見直す際の作業表です。
現状のフォームをそのまま推奨項目とするものではなく、自社の担当者が理由を記入して使います。
| 項目 | 受付直後に使う場面 | 見直すときの問い |
|---|---|---|
| 担当者名 | 返信先の担当者を確認する | ふりがなや部署も最初から必要か |
| メールアドレス | 回答や日程案内を送る | 入力例と形式のエラーが分かるか |
| 電話番号 | 電話による確認や折り返しを行う | 電話が必須の相談か、希望者のみでも受けられるか |
| サイトURL | 既存サイトの状況を見る | URL未取得の相談を受け付けられるか |
| 相談の種別 | 対応する担当を決める | 利用者の言葉で選べるか、複数選択時に迷わないか |
| 相談内容 | 課題と依頼の範囲を把握する | 専門用語や確定仕様を求めすぎていないか |
| 予算・納期 | 対応条件を確認する | 未定でも相談できる業務なら、その入力方法があるか |
アセントウェブの通常フォームでは、確認時点で電話番号は必須です。
ただし、「自社で必須だから他社でも必須」という判断はしません。
電話で行う業務と、メールだけで進められる業務を受付担当者と整理し、変更するなら対応手順までそろえます。
後で聞く情報は、返信時の質問へ移す
入力欄を削った場合、必要な情報をどのタイミングで聞くかも決めておきます。
詳細な画面仕様や競合のURLなどを初回フォームから外すなら、担当者の初回返信や打ち合わせで確認する項目として残します。
質問を減らした後に、聞き直しが何度も発生していないかを見ます。
相談内容の欄には、書いてほしい要素を短く添えると入力の手掛かりになります。
たとえば「現在困っていることと、相談したい内容をお知らせください」という案内なら、仕様が確定していない段階でも記入できます。
実際に受け付けられない相談まで歓迎する表現にはせず、窓口の対応範囲と合わせてください。
スマホでは、入力中と修正中の画面を点検する
ラベルと操作の対応を確かめる
空のフォームがきれいに見えていても、入力した後やキーボードが開いた状態では使いづらくなることがあります。
項目名が入力後も分かるか、選択肢の文字を押して選べるか、送信に進む操作が隠れないかを確認します。
W3Cのフォーム解説では、入力欄とラベルを関連付ける方法を示しています。
この関連付けは、支援技術が欄を識別する際にも使われます。
制作担当には、文字が近くに配置されているだけでなく、入力欄の名前として正しく伝わる実装かを確認してもらいます。
参考:W3Cのフォームラベルの解説
| 操作場面 | 実際に試すこと | 記録する問題の例 |
|---|---|---|
| 入力開始 | スマホで目的を選び、名前へ移る | 選択欄を閉じると場所を見失う |
| 文字入力 | キーボードを開いて相談文を入力する | 固定ボタンが入力中の行を覆う |
| 選択変更 | 一つ選んでから解除・変更する | チェック部分しか反応せず押しづらい |
| 内容確認 | 長い相談文を入れて確認画面へ進む | 文末や選択結果を確認できない |
| 修正 | 確認画面から戻り、一項目を直す | 他の入力まで消えてしまう |
| キーボード操作 | マウスを使わず欄を順に移る | フォーカス位置が見えない、途中で進めない |
この表は実施用の点検票です。
端末名、ブラウザ、操作順、画面の状態を残すと、制作担当が同じ問題を再現しやすくなります。
画面幅を縮めたプレビューに加えて、実際に使うスマホでも試してください。
エラーは、直す欄と直し方が分かる形にする
「送信できません」だけでは、利用者はどこを直せばよいか判断できません。
入力不足なら不足した項目、形式の問題なら受け付ける形式、通信の問題なら再試行の方法を案内します。
欄の色を変えるだけでなく、文字で理由を伝えます。
W3Cの通知に関する解説も、エラーの解決方法を分かりやすく伝え、成功時には完了したことを知らせる考え方を示しています。
エラーを修正して再び確認に進むまでを、一つの操作として試します。
参考:W3Cのフォーム通知の解説
たとえば目的が未選択なら、「お問い合わせの目的を選択してください」と対象を示します。
メール欄なら、受け付ける形式の例を添える方法があります。
エラー後に相談内容が消える場合は、案内文だけでなく入力保持の動作も改修対象です。
見た目を直すだけでよいのか、受付や計測の処理まで点検すべきか迷う方へ。実際の操作に沿って、改修する箇所を整理します。
送信成功・メール到達・成果イベントを別の欄で確認する
同じ一件を、三つの場所で照合する
フォームの画面に完了が出たこと、担当者の受信箱に届いたこと、解析で成果に数えられたことは、それぞれ確認が必要です。
自社のテストでは、日時とテストと分かる識別子を担当者に共有し、受信側の確認も依頼します。
顧客の連絡先や実際の相談本文をテスト用に流用しないでください。
| ケース | 画面・受付で確かめること | メールで確かめること | 成果計測で確かめること |
|---|---|---|---|
| 通常のサービス相談 | 正しい入力で受付が完了する | 管理者通知・控えが所定の宛先へ届く | 対象の成功を一回として扱えるか |
| その他・協業・営業 | 受け付ける運用なら正常に完了する | 必要な担当が確認できる | 新規相談の成果から外れる |
| 目的が未選択 | 不足が伝わり、修正できる | 成功通知を送っていない | 成功の成果が発生しない |
| 入力形式が不正 | 対象欄と修正方法が分かる | 正常受付と混ざらない | エラーを成功として扱わない |
| 送信に失敗 | 失敗と次の操作が分かる | 配信結果・受付記録を調べる | 失敗を成功として扱わない |
| 連打・再送・再読み込み | 同じ相談の重複受付を調べる | 通知が複数になっていないか | 重複発火や集計単位を確認する |
これは、フォーム全体を確認するための検収票です。
チェック欄を埋める前に「期待する結果」と「実際の結果」を分け、未実施の箇所を合格にしないようにします。
テスト送信を行う環境や受信先は、運用担当者と決めてください。
自社3フォームの処理を調べて分かったこと
2026年10月23日に、通常お問い合わせ・テイガクウェブ・アセントグルメの公開フォームにある計測処理を確認しました。
その処理を取り出し、メールや解析への通信を行わない模擬環境で、8条件ずつ、計24条件を試しています。
以下は成果イベントの判定部分の結果であり、24件のメールを実送信した検証ではありません。
| 模擬入力・通知の条件 | 通常お問い合わせ | テイガクウェブ | アセントグルメ |
|---|---|---|---|
| 通常相談の成功通知を一回 | 成果イベント1回 | 1回 | 1回 |
| その他・協業・営業で成功通知 | 0回 | 0回 | 0回 |
| 通常目的とその他種別が混在 | 0回 | 0回 | 0回 |
| 目的なしで成功通知を与える | 0回 | 0回 | 0回 |
| 入力エラーの通知 | 0回 | 0回 | 0回 |
| メール送信失敗の通知 | 0回 | 0回 | 0回 |
| 同じ成功通知を二回与える | 2回 | 2回 | 2回 |
| 営業者が通常相談を選んだ想定 | 1回 | 1回 | 1回 |
この結果から、対象外の選択を除外する条件は確認できました。
一方、成功通知が二回来た場合に、判定処理だけで一回へまとめる動作は確認できていません。
また、入力内容の意図を読む処理ではないため、営業者が通常相談を選んだ想定では成果イベントが発生します。
「目的なしで成功通知」の条件は、判定部分へ意図的に不自然な入力を与えた試験です。
実フォームで未選択のまま送信できることを示すものではありません。
フォーム画面の入力チェック、メールの到達、GA4側の受信結果は、別の工程で確認します。
イベントの回数を、そのまま相談件数にしない
同じ相談の再送と、別件の相談を区別する必要があります。
解析の数え方を変えるだけで、受信した案件が一件にまとまるとは限りません。
受付側の記録と照らし、重複、テスト、対象外の連絡をどう扱うか決めます。
解析へ渡す情報も必要な分類に絞ります。
自社で確認した計測処理は、フォームの区分を送る構成で、氏名・メールアドレス・自由記述を成果イベントに付ける設計にはしていません。
問い合わせの内容確認は、アクセス権限を管理した受信・受付の仕組みで行います。
改善前後は、分類ルールの変更日も残す
件数が下がった理由を分ける
営業を成果から外し始めると、解析上の成果件数が下がることがあります。
その減少だけで「フォームが使いづらくなった」とは判断できません。
対象外だった連絡を数えなくなったのか、通常相談も減ったのかを分けて確認します。
反対に、項目を減らして送信が増えても、担当者が追加確認を繰り返しているなら、その負担を含めて見直します。
受付した件数、内容を確認した相談件数、対応に必要な時間を、同じ定義で比較することが大切です。
| 記録欄 | 残す内容 | 読み違えを防ぐポイント |
|---|---|---|
| 変更日時 | 文言・必須設定・判定処理を変えた日 | 同日に変更した内容をまとめる |
| 変更の狙い | その他・営業を相談成果から分ける等 | 入力改善と集計変更を区別する |
| 対象フォーム | 通常・テイガクウェブ・アセントグルメ等 | 一部フォームだけの変化を混ぜない |
| 観測期間 | 比較する期間と営業日 | 広告や季節の違いも記録する |
| 受信側の分類 | 相談・協業・営業・テスト・重複 | 誰がどの基準で判断したかを残す |
| 計測の条件 | 同意、端末、設定変更、欠測の有無 | 解析にない送信をゼロと決めつけない |
| 次の対応 | 文言変更、入力補助、配信調査等 | 数字だけで原因を確定しない |
少ない件数では、再現できる不具合から直す
問い合わせが少ないサイトでは、短い期間の数件の差で、文言の効果を判断しにくい場合があります。
その段階でも「必須項目の場所が分からない」「確認画面から戻ると本文が消える」など、操作で再現できる問題は調べられます。
再現手順と修正後の結果を残し、数値による評価とは別に改善を進めます。
フォームへ来る前の説明やボタンも点検対象です。
相談内容を理解しないまま誘導されている場合は、フォームだけで解決しようとせず、サービスページと入口の案内を見直します。
アセントウェブのLP制作サービスでは、ページから相談へ進む導線も含めて検討できます。
問い合わせフォームの改善でよくある質問
「その他」を選ぶ営業を完全に成果から除外できますか?
選んだ値を条件に除外することはできますが、営業者が別の項目を選ぶ場合まで防げるわけではありません。
また、その他に含まれる協業や一般の質問を、自社でどう評価するかも決める必要があります。
自動判定と受付後の分類を分けて管理します。
確認画面は必要ですか?
入力内容を見直す機会として設ける方法があります。
必要性は相談内容と誤送信の影響に合わせて決め、設ける場合は戻って修正したときに情報が保たれるかを試します。
確認画面を減らしただけで成果が上がるとは考えず、操作の迷いを調べて判断してください。
営業を選んだ連絡は、メールも届かなくなりますか?
成果の除外と、メールの受付停止は別の設定です。
受け付けた上で成果だけ除外する設計なら、営業のメール自体は届きます。
迷惑送信への対策を追加する場合も、通常の相談者が送信できることを一緒に確認します。
改善の効果はいつ判断できますか?
一律の日数では決められません。
件数、比較する期間、集客方法、フォームごとの条件を確認します。
分類ルールを変えた前後は、同じ意味の件数になっているかを確かめてから比較してください。
まず一件を、入力から担当者の確認まで追う
お問い合わせフォームの改善では、入力の負担と、受け付けた連絡の扱いをつなげて考えます。
自社の例でも、選択肢の変更だけで営業の意図や重複まで判定できるわけではないことが分かりました。
表記、受付、成果の条件をそろえ、残る判断を担当者の運用で補います。
まずは通常相談と対象外の連絡について、期待する動作を検収票に書いてみてください。
その上で、現在のフォームの表示、受信先、計測処理を一件ずつ照合すると、次に直す場所を具体化できます。
今のフォームで何が起きているかを整理するところからご相談いただけます。入力項目、営業の分類、受信と計測の確認まで、必要な改善を検討します。

