新サービスの案内を作るのか、会社全体の情報を整えるのか。今あるページと集客の予定から、優先して作るものを整理できます。
LPとホームページの違いは、主に「何を判断してもらうための情報をまとめるか」にあります。
一つの商品やサービスへの申込みを後押しするページが必要ならLP、会社や複数の事業を調べられる場所が必要なら企業サイトを中心に考えます。
ただし、両方を必ず別々に作るわけではありません。
既存サイトのサービスページを整えれば十分な場合もあります。この記事では、商材の数と今あるサイトから、制作の優先順位を判断する方法を紹介します。
LPという言葉には二つの意味がある
アクセス解析では「最初に訪れたページ」
アクセス解析でいうランディングページは、訪問の入口になったページです。
Google Analyticsの公式説明では、GA4のランディングページはセッション内の最初のページビューに基づきます。
そのため、検索から最初に読まれたブログ記事も、紹介メールから開かれた会社概要も、解析上はランディングページになり得ます。
GA4のレポートに会社概要が表示されても、申込み用のLPへ作り替わったという意味ではありません。
制作の相談では「一つの提案に集中したページ」
Web制作でLPと呼ぶ場合は、特定の商品・サービスを説明し、相談、資料請求、購入などの行動へつなぐページを指すことが多くなります。
この記事では、以降はこちらの意味でLPと呼びます。
たとえば、AI活用支援を検討する人に、対象となる業務、支援内容、依頼条件、進め方を順番に伝え、相談してもらうページです。
縦長の1ページはよく使われる形ですが、長さだけでLPかどうかが決まるわけではありません。
また、「ホームページ」はトップページだけを指す場合と、サイト全体を指す場合があります。
ここでは、会社概要、サービス、実績、問い合わせなどをまとめた企業サイト全体として説明します。
LPとホームページを目的と情報の範囲で比較する
一つの提案を理解する場所と、会社全体を調べる場所
LPは、読者が特定の提案を検討するための情報を集めます。
企業サイトは、複数の用件で訪れる人が、自分に必要な情報へ移動できるように整理します。
| 判断する項目 | LPを中心に考える場合 | 企業サイトを中心に考える場合 |
|---|---|---|
| 読者の用件 | 一つの商材や企画について検討したい | 会社や事業全体を調べたい |
| 主な情報 | 対象者、提供内容、根拠、条件、申込み方法 | 会社概要、複数のサービス、実績、採用、窓口 |
| 読み進め方 | 提案の理解から疑問の解消、行動へ進む | メニューや関連リンクから必要な情報を選ぶ |
| 更新の単位 | 対象商材の内容、料金、募集条件など | 各事業の情報、会社情報、お知らせなど |
| 確認する成果 | 対象商材の有効な相談や申込み | 各事業への相談、必要情報への到達など |
これは用途の整理であり、機能を制限する表ではありません。
企業サイトにも申込みフォームを置けますし、LPにも提供会社を確認できる情報は必要です。
「リンクを減らすこと」より、判断に必要な情報をそろえる
LPでは、無関係な商品へ誘導すると、読者が何を申し込めばよいか迷うことがあります。
一方で、会社情報や費用条件への導線までなくすと、不安を解消できないまま離脱する可能性もあります。
大切なのは、リンクを一律に削ることではありません。
そのページで答える疑問と、詳しい確認先へ案内する疑問を分けることです。
たとえば、支援内容と相談方法はLP内で説明し、代表者や所在地の確認は会社概要へ案内できます。
重要な料金条件を小さな別ページだけに隠すなど、判断を妨げる構成は避けてください。
三つの状況から、先に作るページを選ぶ
一つの新サービスを案内したい
まず、そのサービスを誰に案内し、何をしてもらいたいかを一文にします。
「社内の定型業務に困っている担当者へ、AI活用の相談を案内する」のように、相手と用件を絞ると、必要な説明を選びやすくなります。
広告や紹介でそのサービスを案内する予定があり、詳細な説明ページがなければ、LPの制作が候補になります。
会社の紹介や連絡先も未整備なら、最低限の会社情報と問い合わせ先を合わせて用意します。
LPだけ先に完成しても、広告や紹介などの入口が決まっていなければ、訪問が増えるとは限りません。
制作の依頼時には、どこから読者を呼ぶかも伝えてください。
複数の商品・サービスを紹介したい
異なる読者に向けた商材を一つのLPへ詰め込むと、説明が散らばります。
たとえばWeb制作と社内のAI活用支援では、相談する担当者や検討事項が同じとは限りません。
この場合は、企業サイトでサービスの全体像を見せ、各サービスの詳細ページへ分ける方法が考えられます。
広告で積極的に案内する商材だけ、対象者や条件に合わせたLPを追加することもできます。
最初から全商材のLPを作る必要はありません。
問い合わせが多い商材、説明不足が大きい商材、集客を始める予定の商材から優先順位を付けます。
すでにホームページがある
新しいLPを依頼する前に、既存のサービスページで何が足りないかを確認します。
不足が説明文や相談ボタン、料金条件だけなら、ページの改善で対応できるかもしれません。
| 既存ページの状態 | 最初に検討する対応 |
|---|---|
| 一つのサービスが説明され、編集もできる | 不足する説明と導線を追加する |
| 複数サービスが混在し、目的の情報を探しにくい | サービス別に情報を分ける |
| 特定の広告だけ、対象者や提案条件が違う | 広告の内容に合うLPを追加する |
| 料金や実績が古く、会社情報にも矛盾がある | サイト全体の基礎情報をそろえる |
| フォームが使いにくい、送信できない | 先にフォームと送信後の動作を改善する |
同じ対象者・同じ内容のページを増やすと、どちらを更新するか迷いやすくなります。
「別ページを作る理由」を、見た目ではなく、対象者、案内内容、流入元の違いで説明できるか確認してください。
既存のサービスページを直すか、新しくLPを作るか。集客予定と今のページを確認し、必要な作業を整理します。
検索・広告・紹介からの流れをつなぐ
広告で約束した内容を、到着したページで説明する
「AIで請求書の転記を減らしたい」という用件で広告を見た人を、会社全体の説明しかないトップページへ案内すると、関連情報を探し直してもらうことになります。
反対に、会社名を紹介されて確認に来た人へ、特定サービスの申込みだけを強く促すと、会社を調べる目的を満たしにくくなります。
流入元だけで機械的に振り分けず、その入口で何を期待した人かを考えます。
広告でも比較検討の情報が必要な場合があり、検索からサービスの申込みへ進む場合もあります。
自社のAI顧問ページと企業サイトを例にした導線
アセントウェブには、AI顧問のサービスページと、会社・事業全体を案内する企業サイトがあります。
ここでは公開中の情報を題材に、入口ごとの案内先を整理します。各経路の成果を測定した事例ではなく、役割を検討するための設計例です。
| 入口と読者の用件 | 最初に案内する情報 | 不安が残った場合の確認先 | 最終的な行動 |
|---|---|---|---|
| AI顧問を案内する広告・紹介 | 支援する業務、対応内容、料金条件 | 会社概要、具体的な支援内容 | 自社の業務を相談する |
| 会社名を紹介され、依頼先を調べる | 会社概要とサービスの全体像 | 該当するサービスの詳細 | 相談したい領域を選ぶ |
| 業務の困りごとを検索する | 困りごとの整理や解決方法を説明する記事 | 自社で難しい範囲を扱うサービス | 必要な支援を相談する |
サービスを検討する人:入口 → AI顧問の詳細 → 必要なら会社情報を確認 → 相談
依頼先を調べる人:入口 → 会社・事業全体 → 関心のあるサービス → 相談
このように、LPと企業サイトは併用できます。
AI顧問のページでは対応範囲や依頼条件を説明し、企業サイトではどのような会社が提供するのかを確認できるようにします。
会社情報を開いた人が迷わずサービスへ戻れるか、問い合わせ先で相談内容が分かるかも確認してください。
内部リンクは増やすこと自体が目的ではなく、次の疑問に答えるために置きます。
LPとSEOを別物として考えない
LPだから検索に表示されない、企業サイトだから検索流入を得られる、と決まるわけではありません。
検索した人の疑問に答える情報があり、検索エンジンがページを取得・理解できるかなど、個別に確認する必要があります。
一つのLPへ異なるテーマを無理に詰め込むより、サービスの詳しい説明と、課題別の記事を役割分担させる方が情報を整理しやすい場合もあります。
公開したページの名称だけで集客方法を決めず、検索意図と内容の一致を見てください。
検索エンジンがページを見つけ、内容を理解できるようにする基本は、GoogleのSEOスターターガイドでも確認できます。
制作費だけでなく、更新できる範囲を比較する
「1ページだから安い」とは限らない
LPでも、取材、原稿作成、写真撮影、図解、フォームの設計が必要なら、その分の制作作業が発生します。
企業サイトも、ページ数だけでなく、原稿の準備状況や機能、既存データの移行によって必要な作業が変わります。
方式だけで費用相場を決めつけず、同じ作業範囲で見積もりを比較します。
自社が用意するものと制作側が担当するものを分けると、見積もりの差を確認しやすくなります。
| 見積もりでそろえる項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 企画・原稿 | 調査、構成、執筆、取材を誰が行うか |
| 素材 | 写真、図解、動画などを何点用意するか |
| 構築 | スマホ対応、フォーム、既存サイトとの接続 |
| 計測 | どの行動を成果として確認し、誰が設定するか |
| 更新 | 料金や実績を自社で変更できるか |
| 公開後 | 修正対応、保守、改善作業の範囲と料金 |
変更しやすいページが、必要な情報を保ちやすい
価格や受付条件を変えるたびに、画像全体の作り直しが必要な構成では、更新が遅れることがあります。
料金表や説明文など、頻繁に変わる情報は編集方法も確認してください。
WordPressを使う場合なら、担当者が文章、表、ボタンを個別に直せるかを実際の編集画面で確認できます。
編集できることと、公開前の内容確認を誰が行うかは別なので、更新担当と確認担当も決めます。
LPの情報の順番を具体化したい場合は、問い合わせにつながるLP構成を参考にしてください。
会社全体の構成から見直す場合は、コーポレートサイトに必要な内容と制作の進め方で、ページごとの役割を整理できます。
よくある質問
LPだけでSEO集客できますか?
検索意図に合う内容があり、取得・インデックスの条件を満たしていれば、LPが検索結果に表示される可能性はあります。
ただし、一つのページで多様な疑問をすべて解決できるとは限りません。商品を検討するページと、関連する課題を説明する記事を分ける選択肢もあります。
特定の検索語で上位に出る保証はありません。
まず、誰のどの疑問に答えるページなのかを明確にしてください。
ホームページがあってもLPは必要ですか?
必須ではありません。
既存のサービスページが、案内したい内容と申込みに必要な情報を備えていれば、そのページを利用できます。
新しい対象者や期間限定の企画など、既存ページと伝える内容が異なる場合には、別のLPを作る理由があります。
同じ情報を複製する前に、既存ページを直せない理由を確認しましょう。
LPに会社概要へのリンクを置くと、成果が下がりますか?
リンクがあるだけでは判断できません。
依頼先を確認したい読者にとっては、会社情報が必要な場合があります。関連性の低いリンクと、判断に必要な確認先を分けて設計してください。
公開後は、リンクをクリックしたかだけでなく、その後に有効な相談へ進めたかも確認します。
まとめ:作る前に、入口と読者の用件を一行にする
LPとホームページを選ぶときは、ページの長さより、読者が何を判断する場所かを考えます。
一つの提案を伝えるならLP、会社や複数事業を調べる場所が必要なら企業サイトを中心に整理し、既存ページで対応できるかも確認してください。
最初の作業は、「どこから来た、誰に、何を説明して、何をしてもらうか」を一行にすることです。
それを今あるページと照らし合わせれば、新規制作と改善の優先順位を付けやすくなります。
アセントウェブでは、読者と提案内容を整理するところから、原稿・デザイン・問い合わせ導線まで支援しています。今あるサイトと、これから案内したい商材をお知らせください。

