Search Console(サーチコンソール)で数字を見る目的は、毎月の順位を報告することだけではありません。
どの記事を直すか、どのテーマを増やすか、いまは判断を保留するかを決めるために使います。
そのためには、検索語と到着ページを組み合わせ、公開からの期間や問い合わせにつながる内容かどうかまで確認する必要があります。
この記事では、担当者が改善候補を制作台帳へ戻す手順と記録表を紹介します。数値例は説明用の架空データです。
数字は見ているものの、次に直すページを選べない方へ。Search Consoleとサイトの内容を合わせて整理します。
最初に分析期間とページの状態をそろえる
公開日・変更日を数字の隣に置く
月末に一覧を開いたら、まず対象記事の公開日と主な変更日を確認します。
先月から公開している記事と、昨日公開した記事を、同じ月のクリック数だけで比べないためです。
新しい記事は「まだ検索結果に登録されていない」「登録されているが表示が少ない」「表示はあるがクリックされない」のどこにいるかを分けます。
未公開の下書きは、検索からの成果を評価する対象に含めません。
GoogleのURL検査の説明を参考に、対象URLのインデックス状況を確認できます。
公開URLのテストが通ったことだけで、インデックス登録や希望する検索語での表示が保証されるわけではありません。
| 記録する項目 | 記入する内容 | 判断で使う理由 |
|---|---|---|
| 対象URL・記事ID | 制作台帳と同じ識別子 | タイトル変更後も同じ記事を追う |
| 公開日 | 初めて公開した日 | 観測できた日数を確認する |
| 主な変更日 | タイトル、本文、導線などの変更日と内容 | 変更前後を分けて読む |
| 集計期間 | 開始日と終了日 | 比較する期間の長さをそろえる |
| 比較条件 | 検索タイプ、国、端末、検索語・ページの条件 | 対象の違いを改善と取り違えない |
| 取得日時・確定状況 | 取得した日時、速報を含むか、欠けた日 | 後日の再確認が必要かを残す |
速報値と欠けた値をゼロにしない
直近のデータは、あとから更新されることがあります。
Search Consoleの画面で速報扱いの期間を確認し、比較表には「速報を含む」と注記します。
取得できなかった日や、まだ確認していない問い合わせ件数は、0件と入力しません。
空欄にして理由を添えるか、「未取得」と記載します。0件は、必要な範囲を確認して本当に0件だった場合に限ります。
月次比較では、日数と曜日構成、休業日、繁忙期の違いもメモします。
公開直後の記事で観測期間が足りない場合は、無理に良い・悪いと判定せず、次の確認日を決めます。
検索語と到着ページを一組で見る
指名検索と課題を探す検索を分ける
検索パフォーマンスで、まず確認したいページに絞り、そのページがどんな検索語で表示されたかを見ます。
逆に特定の検索語から調べる場合は、その語で表示されるページを確認します。
会社名やサービス名を含む指名検索は、すでに会社を知っている人の動きとして分けます。
「ホームページ 見積もり 比較」のように課題から調べる検索とは、期待する役割が異なるためです。
自社で分類する場合は、正式名称、略称、表記違いを一覧にします。
一般語と同じサービス名など、どちらとも言い切れない語は別欄に残し、機械的に指名へ寄せません。
| 検索語の意味 | 到着ページで確認すること | 次の作業の例 |
|---|---|---|
| 会社・サービス名を探している | 正式名称やサービスへの入口が分かるか | サービスページへの案内を整える |
| 手順や判断基準を知りたい | 結論、比較表、具体的な手順があるか | 不足する説明を追加する |
| 費用や依頼先を比較したい | 料金の条件や依頼範囲を確認できるか | 条件説明と相談導線を点検する |
| 自社が扱わない内容を探している | タイトルや本文が誤解を招いていないか | 対応範囲の説明を見直す |
検索語の一覧には、プライバシー保護などの理由で表示されないものがあります。
Googleのデータ制限の説明では、匿名化された検索語が表に出ない一方、検索語で絞り込まないグラフの合計には含まれる場合が説明されています。
行を合算した値で、サイト全体の合計を置き換えないようにします。
同じ検索語に複数ページが出ても、すぐに統合しない
たとえば「ホームページ 費用」で、費用の解説記事と制作サービスのページが表示されていたとします。
それだけで、記事同士が競合していると決めつけることはできません。
解説記事は予算の考え方を伝え、サービスページは依頼条件を案内する、という役割分担が考えられます。
両方の本文を読み、説明の重なりと、読者が次に進むリンクを確認します。
一方、同じ読者へ同じ答えを返す記事が二つあり、どちらを更新すべきか社内でも決められない場合は統合候補です。
被リンク、現在の流入、独自情報、利用中の案内リンクまで確認し、残すURLと移行方法を決めてから実施します。
平均順位の上下だけを理由に片方を消す判断は避けます。
表示回数・クリック・順位を合わせて読む
CTRが下がった理由を、分母から確認する
CTRは表示回数に対するクリックの割合です。
表示される検索語が広がると、クリックが増えていても全体のCTRが下がる場合があります。
次は考え方を示す架空の例です。同じページを同じ日数・端末・検索タイプで比較した設定です。
| 区分 | 前期間:表示/クリック | 今期間:表示/クリック | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| 以前から表示される検索語群 | 600回/30回 | 600回/30回 | この区分のCTRは5%で変わらない |
| 新しく表示される検索語群 | 0回/0回 | 900回/9回 | 新しい区分のCTRは1% |
| 合計 | 600回/30回 | 1,500回/39回 | クリック増でもCTRは5%から2.6%へ下がる |
この例で、全体のCTR低下だけを見てタイトルを書き換えると、以前から合っていた検索意図まで崩すかもしれません。
まず変わった検索語、端末、順位帯などを切り分け、新しい検索語に本文が答えられているかを読みます。
前期間の表示が0回の区分ではCTRを比較できないため、0%と決めて増減を計算しません。
平均順位は、個別の検索結果を固定表示した順位ではない
検索パフォーマンスの公式説明では、表示回数・クリック・CTR・平均掲載順位を、期間やページなどで絞って確認できます。
平均順位は、複数の表示機会をまとめた指標です。自分のパソコンで一度検索した結果と完全に同じになるとは限りません。
順位が下がった場合は、既存の検索語で下がったのか、これまで出なかった検索語で低めの位置に表示され始めたのかを確認します。
比較する端末や検索タイプが変わっていないかも点検します。
タイトルの改善を考えるのは、検索語に対する答えが本文にあるのに、その内容が検索結果で伝わっていないと考えられる場合です。
本文が答えていないことをタイトルだけで約束するのではなく、先に内容を補います。
| 観測した変化 | すぐに断定しないこと | 追加で確認するもの |
|---|---|---|
| 表示は増え、CTRは下がった | タイトルが悪くなった | 増えた検索語と端末、クリック数 |
| クリックと表示が一緒に減った | 本文の品質だけが原因 | 需要の時期、登録状況、検索語別の変化 |
| 平均順位が下がった | すべての検索語で順位が落ちた | 同じ検索語・ページの組み合わせ |
| クリックは増え、相談は増えない | 記事に価値がない | 検索意図、相談導線、計測の状態 |
数字の増減から、タイトル・本文・相談導線のどこを直すか迷う方へ。条件をそろえた比較からお手伝いします。
GA4と問い合わせ情報で、訪問後を補う
Search ConsoleとGA4の数字を一致させることを目的にしない
Search ConsoleではGoogle検索での表示とクリックを、GA4では計測できたサイト内の訪問や行動を確認します。
検索で選ばれた後に、サービス案内や問い合わせへ進めているかを考えるために併用します。
Googleの併用ガイドでも、クリックとセッションは仕組みが異なり、完全には一致しないと説明されています。
GA4でGoogle検索の流入を見るなら、参照元google・メディアorganicなど、対象をそろえて確認します。
大きな差があれば、タグの設置漏れ、同意による計測の違い、タイムゾーン、URLの集約方法などを順に確認します。
差分を補正して同じ数字に見せるのではなく、違いの理由と比較できる範囲を記録します。
問い合わせ送信数と、相談として扱う数を分ける
フォーム送信の中には、営業や協業の提案、テスト、重複送信も含まれます。
記事の評価には、会社として相談・見積もり依頼に数える条件を決めた「有効相談」を別に用意します。
アセントウェブのフォームでは、「その他・協業・営業」を相談目的と分けて選べるようにしています。
ただし選択項目だけで実際の目的を完全に判別できるわけではないため、必要に応じて受付後の分類も使います。
分析表には氏名、メールアドレス、相談本文を貼り付けず、期間とページ単位で扱える集計値を載せます。
検索語ごとの集計を、特定のお客様の問い合わせと無理に結びつけることもしません。
| データ | 確認すること | 記事の判断への使い方 |
|---|---|---|
| Search Console | 検索語・ページ・表示・クリック | 検索で求められる答えとの一致を見る |
| GA4 | 対象流入の到着ページ・行動・設定済み成果 | 訪問後の導線や計測状態を見る |
| 問い合わせ受付の集計 | 有効相談、営業・協業、重複など | 相談の内容と記事の目的の距離を見る |
同じ期間に相談があっても、特定記事のおかげと断定できるとは限りません。
複数回の訪問や別の接点があり得るため、どの範囲まで分かったかを注記して判断材料にします。
改善候補を制作台帳へ戻す
更新・新規・統合・観測継続を選ぶ
分析の最後には、数字の一覧とは別に「次に何をするか」の一覧を作ります。
既存記事で答えられるなら更新し、異なる読者の疑問なら新規記事を検討します。検索語が少し違うだけで似た記事を増やしません。
アセントウェブでも、記事計画は記事IDで管理しています。
分析結果を同じIDに戻すことで、構成、本文、公開日、変更履歴をつなげて確認できます。
以下は、自社の台帳へ追加できる記録欄です。実際の数値がない項目は、未取得の理由を残してください。
| 台帳の欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 記事ID・URL | 対象の記事を特定する |
| 観測条件 | 期間、端末、検索タイプ、取得日時、速報・欠測 |
| 変化と根拠 | どの検索語・ページに何が起きたか |
| 読者が困る点 | 本文の不足、古い条件、分かりにくい導線など |
| 対応区分 | 更新/新規/統合検討/観測継続 |
| 作業内容 | 追加する比較表、確認する登録状態など |
| 担当・再確認日 | 誰が実施し、いつ何を確認するか |
| 結果 | 実施内容と、その後に観測できた変化 |
優先順位は、件数だけで決めない
誤った料金や利用条件、壊れた問い合わせ導線があれば、流入の大小だけで後回しにしません。
それ以外の改善は、事業との関連、困っている読者の多さ、根拠の確かさ、修正に必要な作業を合わせて決めます。
たとえば次のように判断できます。いずれも説明用のケースで、実際の記事の評価ではありません。
| 状況 | 対応の例 | 今回決めること |
|---|---|---|
| 見積もり比較の検索があり、本文に比較項目がない | 既存記事を更新 | 比較表を追加し、変更日を残す |
| 導入後の運用を知りたい検索があり、既存記事は導入前が中心 | 新規記事を検討 | 別の疑問として構成を作り、相互リンクを設計する |
| 同じ答えの記事が二つあり、情報が分散している | 統合を検討 | 残すURLと独自情報、移行手順を整理する |
| 公開したばかりでデータが少ない | 観測を継続 | 登録状態を確認し、次の確認日を決める |
一度にタイトル、本文、導線をすべて変更すると、後から何が影響したかを読み取りにくくなります。
緊急の修正を除き、仮説と変更範囲を記録して進めると、次回の判断にも使える記録になります。
よくある質問
表示回数が少ない記事は削除した方がよいですか?
表示が少ないという理由だけでは決めません。
公開からの期間、インデックス状況、対象の需要、営業資料としての役割、他の記事との重複を確認します。
必要な情報があり検索需要が小さいページと、内容が古く重複しているページは、別の判断になります。
毎月どの数字から見ればよいですか?
最初に対象期間とページの状態を確認し、クリックや表示が大きく変わったページを探します。
その後、検索語と到着ページを一組で読み、訪問後の行動や相談の情報を補います。
全ページの全指標を説明するより、根拠を持って次の作業を決めることを目指します。
GSCとGA4で数字が違うときは、どちらを採用しますか?
調べたいことによって使い分けます。
検索で表示・クリックされた状況はGSC、計測できた訪問後の行動はGA4で確認します。集計の条件と限界を添え、同じ指標として合算しません。
次の確認日までを決めて、分析を終える
月次分析では、改善候補を選んだ理由と、実施後に何を確認するかまで台帳へ残します。
判断材料が不足する記事は、無理に順位を付けず、必要なデータと次の確認日を決めましょう。
記事の内容だけでなく、サイト全体の集客や相談導線を整理したい場合は、集客戦略・マーケティング支援をご覧ください。
記事を増やす前に、いまある記事の改善候補を整理したい方へ。検索データと相談につながる導線を一緒に確認します。

