月々の保守費で、どこまで頼めるかを整理したい方へ。現在の契約とサイトの状態から、必要な対応範囲を一緒に確認します。

毎月の保守費を払っていても、「フォームが動かなくなったら誰が直すのか」「写真の差し替えは別料金なのか」が曖昧なままになっていませんか。

ホームページの保守費用は、月額だけでは比較できません。
サーバーなどの利用料、日常の点検、更新作業、障害時の対応を分け、含まれる作業と上限をそろえる必要があります。

この記事では、公式に公開されている料金の例を確認したうえで、見積もり比較・バックアップの復元確認・契約終了時の引き継ぎに使える表を用意しました。
今の契約書や請求書を手元に置き、分からない項目を埋めながら読み進めてください。

保守費を、利用料と担当者の作業に分ける

最初に確認したいのは、「何に払っているか」と「誰に払っているか」です。
サーバーを自社で契約している場合と、制作会社のプランに含まれる場合では、同じ保守月額でも総額が変わります。

サーバー・ドメインなどの支払いを確認する

請求書を並べ、次の区分で支払先を整理します。
年払いは月額に換算するだけでなく、次回の支払月も残しておくと、更新時の支出を把握できます。

区分 確認する書類・画面 保守会社に確認すること
サーバー利用料 契約プラン、次回請求額、更新日 月額に含むか、自社が直接支払うか
ドメイン更新料 登録先、契約名義、更新期限 取得初年度ではなく、継続時の費用はいくらか
有料テーマ・プラグイン等 ライセンス、契約者、更新条件 保守終了後も利用・更新できるか
保守作業料 見積書、作業一覧、月次報告 点検・更新・復旧の対象と上限は何か
文章・画像の更新料 作業依頼の履歴、追加請求 保守内の修正と別料金の制作をどう分けるか

同じ名前の費目があっても、直ちに二重請求とは限りません。
例えば、サーバー会社のバックアップ機能の利用料と、保守担当者が取得結果を確認し復元する作業料は、別の役割を持ちます。

ただし、説明を受けても対象作業が分からない項目は、そのまま合計に埋め込まないようにします。
「何を、いつ、誰が行う費用か」を見積書に追記してもらいましょう。

システムの更新と、掲載内容の更新を分ける

「更新込み」という説明だけでは、依頼できる内容は確定しません。
WordPressやプラグインの更新と、営業時間・料金表・写真を変更する作業は分けて確認します。

例えば「プラグイン更新は保守内、画像の差し替えは月に2回まで、新しいページの制作は別見積もり」という書き方なら、依頼前に判断できます。
これは契約条件の書き方の例であり、当社や業界共通の上限ではありません。

さらに、アクセス分析や記事改善まで頼みたい場合は、その作業も別の行にします。
保守契約の有無だけで、検索順位や問い合わせ数の改善まで約束されるわけではありません。
運用全体の役割を整理する場合は、ホームページ運用の解説も参考にしてください。

月額料金は、同じ作業範囲で比較する

価格感をつかむため、次に公式料金の例を挙げます。
いずれも2026年10月22日に確認した表示で、業界平均や同条件の最安値比較ではありません。

公式料金の例から、比較条件を探す

サービス・プラン 公式の月額表示 料金表で確認できる範囲の例
株式会社オルタ・エコノミー 11,000円(税込) 初期費用33,000円(税込)。プラグイン更新は5個程度まで、バックアップは3世代、復元は3か月に1回まで
WP KEEPER・ベーシック 22,000円(税込) 本体・プラグインの自動更新、稼働監視、バックアップと復元、検証環境、メールサポート

出典:株式会社オルタの料金表、WP KEEPERの料金表。
掲載した項目は一部です。最新の対象条件と見積もりを確認して比較してください。

この2例でも、更新対象の上限や復元回数など、金額以外に確認する項目があります。
表に書かれていない条件を「無制限」「無料」と読み替えないことが大切です。

アセントウェブのWebサイト保守・運用は、当社制作サイト向けにサーバー・ドメイン費を含むプランを案内しています。
他社制作サイトの引き継ぎは、構成と更新量を確認したうえで見積もるため、既存サイトに同じ条件がそのまま適用されるとは限りません。

見積書を、依頼できる作業まで具体化する

以下は、複数の見積もりを読むために作成した確認表です。
各社に同じ質問を送り、「含む」「別料金」「対応しない」「未確認」のいずれかと、条件を書き込んでください。

比べる項目 相手に伝える質問 回答に必要な具体性
定期更新 本体・テーマ・プラグインのどこまで対象ですか 実施頻度、対象外、緊急更新の扱い
検証 更新の前後に何を確かめますか 検証場所と、フォームなどの確認対象
バックアップ どのデータを、どこに、何日分保存しますか 取得間隔、保存世代、失敗時の確認者
障害対応 表示不能・フォーム不達・改ざんをそれぞれ頼めますか 原因調査、復元、修正の対象と費用
掲載内容の修正 文章・画像の変更はどの単位で数えますか 回数・時間・ページ数、超過料金
連絡と着手 営業時間外の連絡は、いつ対応が始まりますか 受付時間、初動目安、休日対応
契約終了 データと権限をどの状態で受け取れますか 引き継ぎ資料、作業費、期限

「月に1時間まで」の修正枠なら、依頼の整理・打ち合わせ・確認作業もその時間に含むかを聞きます。
原稿を自社で用意する条件なのか、文章の作成まで含むのかも別に確認します。

依頼が少なかった月の時間を翌月へ持ち越せるか、緊急の依頼で通常の修正枠を使うかまで分かれば、追加請求を予測しやすくなります。

障害時は「受付・着手・復旧」を分けて聞く

連絡を受け付けること、担当者が調査を始めること、サイトを正常に戻すことは、それぞれ異なる段階です。
「24時間監視」と書かれていても、休日に人が復旧作業をする条件まで含むかは確認が必要です。

例えば、フォームが止まると困る会社なら、単に「すぐ直してほしい」と伝えるより、代替の連絡手段を掲載できるか、原因調査は誰が始めるかを相談します。
復旧の目標時間が示される場合も、対象となる障害と、保証なのか目標なのかを分けて確認してください。

比較する費用は「初期費用+月額×利用月数+年払いの利用料+想定する追加作業」で整理できます。
金額が分からない項目は0円にせず、未確認のまま残して見積もりを取りましょう。

バックアップは、戻す作業まで確認する

バックアップの一覧にファイル名が見えるだけでは、必要なデータが揃い、復元後に業務が再開できるかまでは分かりません。
保守会社には、取得状況と復元確認の記録を別々に聞くことをおすすめします。

ファイルとデータベースの両方を確認する

通常のWordPressサイトを復元するには、ファイルとデータベースの両方が必要です。
WordPress公式も、この2つをバックアップの対象として説明しています。WordPress公式:バックアップ

ファイルには画像やテーマなどが含まれ、データベースには投稿本文や設定などが保存されます。
どちらか一方だけを残していても、元の状態を再現できるとは限りません。

確認したいのは、次の4点です。

  • 必要なファイルとデータベースを一緒に戻せるか。
  • いつの状態まで戻れるか、保存履歴を確認できるか。
  • 元のサーバーに入れなくても、使えるコピーがあるか。
  • 復元する担当者が必要な権限と手順を持っているか。

保存間隔は、失って困るデータから決めます。
例えば毎日投稿するブログで、前週のコピーに戻す場合、その後に追加した記事をどう回収するかが問題になります。

ECや予約サイトでは注文・予約の増分も考慮が必要です。
古いデータへ戻す前に、障害発生後の情報を退避し、どのように整合させるかを担当者と判断します。

復元確認票を使って、できたことを残す

次の表は、これから確認するときの記録用です。
当社の復旧時間や顧客サイトの復元実績を示すものではありません。
本番を戻す操作は伴わせず、担当者が用意した分離された検証環境での確認に使ってください。

記録欄 記入する内容
対象と取得日時 サイト名、ファイル・DBの取得日時、組み合わせ
保存先と取得結果 保存場所の管理者、成功・失敗、利用可能な世代
検証先と実施者 本番と分離した環境、担当者、確認日
外部への影響防止 メール送信・決済・予約連携等の停止、閲覧制限
表示確認 トップ、代表ページ、画像、内部リンクの結果
操作確認 ログイン、投稿編集、フォーム等の確認結果
業務データ 戻った時点、その後の更新・注文等の扱い
判定と残作業 問題の有無、未確認項目、担当者、期限

検証用サイトから顧客へメールを送ったり、決済や外部予約が動いたりしない準備も必要です。
検索除外だけで機密性が確保されるわけではないため、閲覧制限も含めて環境を管理します。

また、「トップページが表示できた」で確認を終えないようにします。
相談フォームが複数あるサイトなら、それぞれの入力画面・通知先・送信後の動きを確認対象として列挙します。
計測タグや予約ボタンも、事業上必要な機能から優先して確認してください。

確認できなかった機能は、合格に含めず未確認として残します。
費用を比較する際も、この確認作業まで含むのかを聞くと、バックアップの取得だけを行う契約との違いが明確になります。

バックアップはあるものの、復旧の担当や手順が分からない場合は、契約と現在の構成を整理するところからお手伝いします。

自社対応と外注の分担を決める

保守の仕事をすべて外注する必要があるかは、自社の担当者と扱う機能によって変わります。
判断する際には、通常の作業ができるかに加えて、失敗したときに戻せるかも考えます。

担当者が不在でも対応できるようにする

日常のお知らせ投稿は自社で行い、システム更新や障害対応は外部に依頼するなど、仕事ごとに分担します。
その際、依頼を出す人と、追加費用を承認する人を決めておきましょう。

作業・判断 自社側で決めること 外部担当者と決めること
文章・写真の更新 内容の正しさ、公開日、素材 作業範囲、確認方法、納期
システム更新 作業してよい時間帯、重要な機能 検証、バックアップ、更新後の確認
障害の発生 連絡担当と代行者、業務への影響 調査窓口、着手条件、進捗報告
追加費用の発生 承認者、承認できる範囲 見積もり、承認前に行う作業
復旧・公開再開 内容と業務を確認する人 技術確認と、残っている問題の報告

社内担当者が休んでいるときも、必要な窓口と契約情報を代行者が確認できる状態にします。
パスワードを比較表に平文で書き込むのではなく、適切な権限を付けた管理方法を別に用意してください。

自社作業も、費用が発生しない仕事とは考えない方が判断しやすくなります。
毎月の確認時間、障害時に本業を止める時間、操作を覚える時間まで含め、無理なく続けられる分担を選びます。

更新前後の確認を、担当者任せにしない

更新の予定を共有し、何を確認して完了とするかを先に決めます。
WordPress公式は、データベースを定期的に、またアップグレードの前にバックアップするよう案内しています。WordPress公式:バックアップ

例えば、会社案内サイトなら次のような完了条件を整理できます。

  1. 作業前のバックアップと取得日時を確認する。
  2. 検証環境で更新し、重要なページと機能を確認する。
  3. 本番作業の時間帯と、問題が起きた場合の戻し方を確認する。
  4. 本番反映後に表示・フォームなどを確認し、結果を記録する。
  5. 自社担当者が必要な内容を確認し、残作業を共有する。

これは契約を作るための基本例です。
サイトの構成や更新内容によって作業方法は変わるため、この順番だけで安全が保証されるわけではありません。

契約前と解約前に、資産の引き継ぎを確認する

保守を変更するときは、新しい担当者が必要な作業を始められる状態まで引き継ぐことが重要です。
料金が安くても、契約情報やデータを受け取れないままでは移行の準備が進みません。

管理者権限と契約名義を一覧にする

WordPressの管理画面へログインできることと、ドメインやサーバーを管理できることは別です。
次のように、契約者・操作担当者・引き継ぎ条件を分けます。

資産・サービス 確認する名義と権限 引き継ぎ時の確認
ドメイン 登録者、管理アカウント 更新日、移管や管理変更の条件
サーバー 契約者、管理権限 データ取得、移行先、解約日
WordPress 管理者アカウント 不要な権限の整理、復旧用の連絡先
テーマ・プラグイン 契約者、利用許諾 継続利用、更新、再契約の必要性
メール 契約先、管理者 アカウント・保存データ・設定の移行
アクセス解析等 自社の管理権限 担当変更後も過去データを見られるか

会社として利用を続けるサービスについては、担当者個人の退職や委託先の変更で操作できなくならない管理を目指します。
権限を渡す範囲は必要な作業に合わせて決め、移行後に不要になったアクセスを整理します。

データ・メール・移行作業の費用を別々に聞く

引き継ぎ費用は、ファイルを渡すだけなのか、新しい環境で動作確認するところまでなのかで作業が変わります。
解約前に、引き渡されるデータ、資料、作業完了の条件を一覧で確認してください。

特に、サイトと同じサーバーでメールを使っている場合は、サイトの移行だけで話を終えないことが大切です。
メールの受信や保存データをどう扱うか、誰が設定するかまで確認します。

旧契約を終了する日は、新環境の準備と確認が終わる日から逆算します。
解約の申出期限、最低利用期間、データ取得や移行の追加費用は、契約ごとに確かめましょう。

よくある質問

保守契約を結ばずに運営できますか?

必要な管理・更新・障害対応を自社で実施できる体制があれば、外部の月額保守を利用しない運営も考えられます。
ただし、外部契約をなくしても、サーバー等の利用料や管理作業そのものがなくなるわけではありません。

誰が何を行い、不在時にどう対応するかまで決めたうえで判断してください。
一部だけを外部に依頼する方法もあります。

バックアップがあれば、復旧は無料ですか?

データの保存と、復元・原因調査・修正は別の作業です。
無料で行える範囲や回数は契約によるため、バックアップの有無だけでは判断できません。

元に戻すだけで原因が解消しない障害もあります。
復元後の動作確認や原因への対応まで、料金に含まれるかを確認しましょう。

保守費が安い会社を選ぶと危険ですか?

価格だけで安全性や対応品質は判断できません。
自社が必要とする作業を絞り、明確な範囲で提供しているプランもあります。

安い理由を推測するより、比較表に作業範囲・上限・連絡条件を書き込み、自社で補う部分を確認する方が具体的に判断できます。

まず今の契約で、未確認の3項目を聞く

見直しの第一歩は、月額を下げる交渉より先に、依頼できることを把握することです。
今の契約について、次の3つに答えられるか確かめてみてください。

  • システムと掲載内容の更新は、それぞれどこまで含まれるか。
  • 障害時に誰が着手し、どこまで復旧して確認するか。
  • 契約を終えるとき、データと権限をどの状態で受け取れるか。

分からない項目を契約先に確認し、その回答を同じ表に並べてから比較します。
そのうえで、自社が担う作業と、外部に任せたい作業を決めましょう。

現在の契約のどこを見直すべきか迷う場合は、サイトの構成と運用体制を伺い、必要な保守・更新の範囲を整理します。