発信する媒体を決める前に、お店の現状と来てほしいお客様を整理します。集客のどこから見直すか、お気軽にご相談ください。

店舗の集客方法には、Googleマップ、SNS、広告、チラシ、看板、LINEなどがあります。
ただし、方法を増やす前に、お客様がどこで来店・購入をやめているのかを確かめることが大切です。

お店を知られていない場合と、知っていても料金や予約方法が分からない場合では、先に直す場所が違います。
来店があるのに購入されないなら、広告の追加よりも、商品情報や店内の案内を点検する方が適していることもあります。

この記事では、主な集客方法を一覧で整理したうえで、小売店と予約型サービスの例から、最初に取り組む施策を考えます。
自店の課題、担当時間、確認する数字を記入できる点検シートも使ってみてください。

店舗集客の方法を、目的と運用負担で選ぶ

次の一覧は、お店の状態に合わせて候補を絞るためのものです。
すべてを同時に始める必要はありません。お客様が店を探す場面と、店側が継続できる仕事を組み合わせます。

方法 役立つ場面 費用・続ける仕事
Googleビジネスプロフィール 近隣で店を探す人に、場所や営業情報を伝える 管理自体は無料。情報・写真・返信の更新が必要
店舗サイト 料金、商品、予約条件を詳しく確認してもらう 制作・保守と情報更新の費用や作業
SNS 商品の使い方や店の雰囲気を知ってもらう 写真・動画・文章づくり、反応への対応
Web広告 届けたい相手や期間を決めて告知する 媒体費、広告素材、遷移先の準備と分析
業種別ポータル 条件を比較している人の候補に入る 掲載料・送客手数料などの条件確認と更新
LINE公式アカウント つながりのあるお客様へ再訪の理由を届ける 利用プランの費用、配信づくりと問い合わせ対応
看板・店頭の案内 通りがかりの人に、何の店か伝える 制作・設置・表示内容の見直し
チラシ 届ける範囲を絞って、近隣へ案内する 制作・印刷・配布。配布先と反応の記録
店内イベント・体験 商品やサービスを試すきっかけをつくる 企画、受け入れ準備、当日の人員
お客様からの紹介 既存のお客様を通じて、必要な人に知ってもらう 紹介しやすい案内と、受付方法の整備

Googleビジネスプロフィールの無料利用については、Google公式の案内で確認できます。
有料ツールや運用代行を依頼する場合の費用は、プロフィールの利用料とは別です。

新規来店と再来店では、使う接点が違う

初めてのお客様は、場所、価格、商品、雰囲気、自分に合うかを確かめます。
一度利用したお客様には、新商品、利用する時期、次に選ぶ理由が伝わる案内を考えます。

たとえば、新規のお客様が店の場所を見つけられない状態で、既存客向けの配信だけを増やしても、その問題は解消しません。
反対に、来店後の接点がないなら、SNSのフォロワー数だけを追うより、再訪の案内を受け取りたい人とつながる方法を整えます。

LINEで何ができるかは、LINE公式アカウントの機能と活用方法も参考にしてください。

自店の集客が止まっている場所を確認する

売上が足りないという結果だけでは、原因は分かりません。
まず「知られる」「比較される」「来店・予約する」「購入する」「また利用する」の5段階に分けます。

発見、比較、来店・予約、購入、再来の5段階から、店舗集客の問題を点検する図。

知られていない・比較で外れる・来店できないを分ける

観察できる状態 先に確認する資料・操作 最初の改善候補
店名以外で見つけてもらう機会が少ない 検索での表示、来店経路の聞き取り 営業情報と商品・サービスの説明を整える
サイトは見られるが、相談・予約が少ない 料金、対象者、所要時間、予約への移動 比較に必要な情報と予約先を分かりやすくする
予約しようとしても完了できない スマホからの操作、空き枠、受付通知 操作や受付の不具合を直す
店の近くまで来ても入口が分かりにくい 実際の経路、入口写真、建物の案内 入口やアクセスの情報を補う

この表の状態は、原因が確定したという意味ではありません。
表示回数が分からないなら「知られていない」と決めず、まず営業情報と来店経路を確認します。

店により、駐車・駐輪、階段、子ども連れでの利用など、必要な情報も違います。
よく受ける質問を店頭スタッフに聞くと、掲載すべき情報を具体化できます。

来ているのに買われない・再来につながらない場合

来店が増えても、探している商品がない、価格が分からない、待ち時間が長いなどの理由で購入されないことがあります。
来店数だけでなく、購入件数、問い合わせ内容、品切れ、店内で迷われる場所も記録しましょう。

再来が少ない場合は、商品を使い切る時期やサービスを再利用する周期も考えます。
毎週の再訪が自然な店と、数ヶ月後の再利用が自然な店を、同じ期間の数字で判断しないことが大切です。

小売店と予約型サービスで、最初の一手を変える

以下の2つは、点検シートの使い方を示す仮想例です。
実在店舗の改善実績ではなく、同じ「集客を増やしたい」という相談でも、着手する作業が変わることを説明しています。

小売店は商品を見つけやすくする点検、予約型サービスは予約操作の点検から始める比較図。

小売店:来店はあるが目的の商品が伝わらない例

ある生活雑貨店では、入口まで来る人はいるものの、「贈り物になる商品はありますか」という質問を繰り返し受けています。
まず調べたいのは、来店人数の不足ではなく、贈答用の商品が店内で見つけられるかです。

点検シートの欄 この例で書く内容
観察した事実 贈答向け商品の場所を尋ねる声がある
仮説 用途と予算で選べる案内が不足している
試すこと 入口と売り場の案内に用途・価格帯を示す
見る数字・記録 来店数、購入件数、同じ質問の回数、品切れ
比較条件 曜日、営業時間、商品構成を記録する

この場合は、広告を増やす前に、案内を見た人が商品を探しやすくなるかを確かめます。
実際に声をかけられた記録がないのに、「お客様は必ずこう考える」と決めてしまわないようにします。

予約型サービス:サイト閲覧はあるが予約が少ない例

別の店舗では、サービス説明のページは見られていますが、予約が少ない状態です。
スマホで確認すると、料金の説明から予約先まで何度も画面を移動し、最後まで所要時間が分かりません。

ここでは「予約までの移動を短くし、料金・所要時間・空き枠を確認しやすくする」を最初の候補にします。
修正後は予約ボタンのクリックだけで終わらず、受付が完了し、店舗にも通知が届くところまで確かめます。

流入数が少なすぎて比較できないときは、予約数の増減で結論を急ぎません。
利用者として操作して不明点を記録することと、実際の予約データを見ることを組み合わせます。

店舗集客の点検・施策選択シートをダウンロードする(Excel)

「課題と施策」に観察した事実を入れ、「実施記録」に担当・作業時間・結果を残します。
事実と仮説を分けて書くと、結果が違ったときに、どの前提から見直すか分かりやすくなります。

広告やSNSを増やすべきか、情報や予約の流れを直すべきか。今ある資料から、優先する作業を一緒に整理します。

今ある担当時間で続けられる施策に絞る

効果がありそうでも、担当者が素材を用意できなければ続きません。
「週に何回投稿するか」を決める前に、撮影、文章、確認、返信の時間を見積もります。

無料施策も、素材づくりと運用の時間を見込む

次は週2時間を確保できると仮定した、作業配分の練習例です。
実際の作業時間や推奨頻度ではありません。自店で一度作業してみた時間に置き換えてください。

作業 仮の配分
営業情報と問い合わせの確認 20分
写真の準備 30分
1件の案内づくり 40分
返信と結果の記録 30分
合計 120分

すでにこの時間を超えるなら、媒体を増やすより、伝える商品を絞る、素材をまとめて撮る、制作だけ依頼するなどの調整を考えます。
複数店舗では、本部が共通情報を用意し、各店は変更点だけ返す分担も候補になります。

外注するなら、止まっている工程を渡す

外部に頼む仕事を「集客一式」とせず、撮影、情報更新、投稿、広告、分析に分けます。
店が承認すべき価格・営業日・利用条件と、委託先に任せる作業を決めましょう。

SNSの素材と公開作業が負担ならSNS・YouTube運用支援、近隣検索での情報整備が必要ならMEO・店舗集客支援というように、止まっている工程から相談先を選べます。
依頼後も、現場の変更を伝える担当は店内に残す必要があります。

効果を振り返り、続ける・変える・止めるを決める

施策を始める日に、次に振り返る日も決めます。
たとえば4週間を最初の確認期間にできますが、4週間で成果が出ることを意味するものではありません。

時期の例 行うこと
開始前 現状、困っている段階、変える作業、担当を記録
1週目 表示・予約・受付が正しく動くか確認
2〜3週目 同じ項目を記録し、営業時間や天候の違いも残す
4週目 結果と負担を見て、継続・修正・停止を判断

GBP・サイト・予約台帳の数値を混ぜない

Googleビジネスプロフィールの電話指標は、電話ボタンのクリック数です。
来店数や、電話で予約を受け付けた件数としては数えません。Google公式のパフォーマンス指標

サイトのフォーム送信成功、予約成立、実来店、購入も、別の欄に記録します。
複数媒体を使う人もいるため、媒体別の反応を足して、そのまま新規客数にはしないでください。

アセントウェブの問い合わせ計測でも、送信が成功したという記録と、営業連絡を除いた相談の成果を分けています。
フォームの選択項目だけでは判別しきれない連絡もあるため、店舗でも実際の受付内容を見直す運用が必要です。

記録できなかった経路は「不明」のまま残します。
前月より数字が増えた場合も、営業日数、天候、在庫、別のキャンペーンが変わっていないかを確認しましょう。

よくある疑問:予算が少ない・SNSを続けられない・立地が弱い

予算が少ない場合、何から始めますか?
営業時間、場所、価格、予約先など、来店判断に必要な情報の誤りを直します。その後、今のお客様が店を知った経路を調べ、取り組む方法を絞ります。

SNSを毎日投稿できません。集客は難しいですか?
毎日投稿できるかだけでは判断できません。情報を探す人に必要な内容を用意し、自店が継続できる頻度と、他の接点を組み合わせて考えます。

立地が弱ければ広告を出すべきですか?
広告だけで解決するとは限りません。来店する理由、移動手段、入口、営業日時を確認し、商圏内の人が無理なく利用できる条件を整理します。

口コミを増やすための割引や、満足した人だけにGoogleへの投稿を依頼する方法は避けます。
Googleのポリシーでは、見返りの提供や好意的な口コミだけを選んで依頼する行為が禁止されています。Googleマップの投稿ポリシー

集客は、実施した施策の数で決まるものではありません。
まず一つの課題に対して、確認できる事実と実行する作業を結びつけ、点検シートに残すところから始めましょう。

お店の課題、担当できる時間、今ある媒体を踏まえ、続けられる集客の進め方をご提案します。