資料作成のどの工程にAIを使うか、現在の業務に合わせて整理できます。

AIで資料を作ったものの、説明の根拠を聞かれると答えにくい。修正しようとしても、図や文字が一枚の画像になっている。
業務で使う資料は、見た目を整えた後にも確認が必要です。

この記事では、読み手と目的を決め、根拠を集め、構成を確認してからスライドにする流れを説明します。
アセントウェブのAI顧問の公開情報を使った5枚の資料例と、共有前の確認表を用意しました。
数値や実績をAIに補わせず、後から直せる資料に仕上げたい担当者向けです。

何を決めてもらう資料かを先に決める

報告と提案で必要な情報は変わる

最初に決めたいのは、資料を見た人に何を判断してもらうかです。
「きれいな10枚の資料を作る」だけでは、どの情報を残すべきか判断できません。

たとえば月次報告なら、実績と計画の差、その理由、次の対応を確認します。
サービス提案なら、依頼できる範囲、費用の条件、導入の進め方を知りたいはずです。

資料の目的読み手が判断すること先に用意する根拠
月次の報告予定との差に対応が必要か対象期間、集計条件、比較する計画
サービスの提案自社の課題に合うか、相談を進めるか提供範囲、費用条件、導入手順
社内手順の説明どの作業を誰が行うか現行手順、例外、確認担当

用途が混ざる場合も、今回の会議で決めたいことを一つ書いてみます。
参考情報は補足へ回し、判断に必要な情報を本編に残すと、AIへの依頼も具体的になります。

読み手と利用場面を短く書く

同じ提案でも、打ち合わせで説明する資料と、メールで送って読んでもらう資料では必要な補足が違います。
担当者が口頭で説明できる部分と、資料だけで意味が伝わる必要がある部分を分けてください。

今回の5枚の例では、読み手を「AIの導入支援を検討する中小企業の担当者・責任者」としました。
判断してもらうのは、契約の即決ではなく、自社の業務について相談を進めるかどうかです。
そのため、成果の大きさを示すグラフではなく、支援内容と費用の条件を優先しています。

AIに渡す情報を根拠付きでまとめる

数値には単位・条件・確認日を添える

AIに渡す前に、使用する事実を小さな一覧にします。
金額だけを抜き出すと、「月額か初期費用か」「税別か税込か」「最低価格か確定価格か」が抜けやすくなります。

今回の例で使った情報は、AI顧問の公開ページで2026年10月23日に確認しました。
資料のノートにも出典URLと確認日を残しています。

資料に使う情報一緒に残す条件今回の扱い
月額50,000円〜税別、月額支援の料金「〜」と税区分を省かず掲載
初期100,000円〜税別、調査・基本導入月額とは別の行に掲載
追加の開発・研修・運用内容に応じて別途見積もり月額にすべて含むと説明しない
業務整理から定着・改善までの支援個別の対応範囲は相談で確認相談回数や成果を補わない

これは資料作成の設計例です。個別の見積書や契約条件を示すものではありません。
実際に検討する際は、最新のサービス案内と個別の提案内容をご確認ください。

元資料にない数値や顧客名は「未確認」として残します。
「説得力を出すために実績を追加」と頼むときも、使用できる実績を自分で指定し、AIが作った事例を混ぜないようにします。

公開可能な素材を選び、入力の範囲を決める

社内資料をそのまま入力する前に、使うサービスの契約・管理設定と社内ルールを確認します。
顧客名、個人の連絡先、未公開の計画などは、資料を作る目的に必要な範囲へ絞ります。

今回の例は公開済みの自社サービス情報だけで組み立てています。
顧客の機密資料や、実際の相談履歴を入力する必要はありませんでした。

写真や図も、用途に合い、利用できる素材を選んでください。
実在の導入事例を説明する位置にイメージ画像を置く場合は、読者が実績写真と取り違えない配置にします。

構成を確認してからスライドを作る

一枚ごとの主張と根拠を並べる

デザインを選ぶ前に、各ページで何を伝え、それを何で裏付けるかを確認します。
今回の資料は、次の5枚にしました。

ページ伝えること掲載理由と根拠
1. AI顧問の紹介どのような相談を扱うサービスか読み手が自分向けか判断する入口。公開ページの対象・支援方針から整理
2. 支援内容業務整理、使い方の設計、現場への定着、継続相談依頼したい業務との対応を確認するため。公開されている支援内容を要約
3. 進め方ヒアリングから導入・活用・見直しまで相談後の流れを理解するため。公開ページの手順から整理
4. 費用と範囲月額、初期費用、別途見積もりの区分費用を一つの金額にまとめて誤解させないため
5. 相談前の準備対象業務、扱う情報、相談したい範囲読み手が次の行動に移るため。編集上の準備項目として提案

5枚目の準備項目は、サービスの契約上の必須条件ではありません。
相談を整理しやすくするための編集上の例です。このように、提供者の事実と作成者の提案を分けておきます。

AIへの構成依頼は、たとえば次のように具体化できます。

中小企業の業務担当者が、AI導入支援への相談を検討するための5枚の資料構成を作ってください。添付した公開情報だけを事実として使用し、各ページの見出し・主張・根拠となる資料名・未確認事項を分けてください。料金の「〜」「税別」「別途見積もり」を残し、顧客実績や削減率、相談回数を補わないでください。まず構成だけを出してください。

構成が出たら、重複する説明、根拠のない結論、読み手の疑問が残る箇所を確認します。
修正するページを指定してからデザインへ進めると、完成後に全ページの順序を変える作業を減らしやすくなります。

図と文章の役割を分ける

順序を示すなら工程を並べ、区分を比べるなら表を使います。
料金のように条件を正確に読む必要がある情報は、画像の中の小さな文字にせず、編集可能な表で残すと見直しやすくなります。

今回の4枚目では、料金をネイティブの表として作りました。
金額とその条件を同じ行に置き、追加対応の区分も独立させています。
売上や時間削減の実測データはないため、成果グラフは作っていません。

実ファイルは次のリンクから確認できます。使用する際は、自社の情報と最新条件に置き換えてください。

5枚のAI顧問資料例をダウンロード(PowerPoint形式)

原稿は作れても、根拠の整理や確認方法が決まっていない場合は、作成から見直しまでの流れを一緒に設計できます。

数字と見た目と編集性を確かめる

出典・単位・計算を別々に確認する

見た目の整った表でも、期間や単位が違う数字を比較していることがあります。
元資料と照合するときは、数値が同じかだけでなく、何を数えた値かまで確認しましょう。

確認項目確認する内容問題があったとき
出典記載箇所を元資料で見つけられるか見つからない主張は保留にする
単位・条件円・万円、月額・一時費用、税区分などが合うか単位と条件を同じ場所へ追記する
計算合計、割合、差の計算が正しいか元データから再計算する
比較対象期間・集計対象がそろっているか条件をそろえるか、比較の限界を書く
更新日現在も使える情報か最新情報を確認し、確認日を直す

AIに再点検を頼むことは補助になりますが、それだけで確認を終えないようにします。
今回の料金表も、公開ページの「月額」「初期」「税別」「〜」「別途見積もり」を項目ごとに照合しています。

文字切れと書き出し後の編集性を確認する

編集画面で見えていても、書き出したファイルではフォントや改行が変わることがあります。
使用予定のアプリで開き直し、見出しの末尾、表のセル、脚注を確認してください。

文字が見えることと、文字を編集できることは別です。
文章を一文字変更できるか、料金表の一つのセルを選べるかを試すと、資料全体が画像化されていないか分かります。

今回の資料例は、PPTXへの書き出し後に、5枚のスライドと編集可能な文字・表が含まれることを検査し、再読み込みできることを確認しています。
各ページの画像表示も点検しました。
PowerPointやGoogleスライドの各アプリでの実機表示は未確認のため、配布前に利用環境で開いて確認してください。

共有前には、次の順で点検すると作業を分けられます。

  1. 元資料と文章・数値を照合する。
  2. 書き出したファイルを開き直す。
  3. 文字と表を選択し、変更できるか確かめる。
  4. 変更後に保存し、再度開く。
  5. 配布する形式で文字切れや画像の欠落を確認する。

PDFも配布する場合は、PPTXとは別にPDFの全ページを確認します。
編集用ファイルを残し、相手に渡す形式と更新に使う形式を区別してください。

修正を繰り返せる資料にする

元データと版管理を残す

完成ファイルだけを保存すると、次回の担当者は数字の根拠から探し直すことになります。
原稿、参照した資料、編集できるスライド、配布版を同じ案件のフォルダーで管理しましょう。

ファイル名には日付と版を入れ、変更内容を短く残します。
「最終版」「最終版2」と増やすより、「2026-10-23_v1」「料金条件を更新」のように区別できる形が使いやすくなります。

残すもの記録例
根拠の一覧URL、資料名、参照箇所、確認日
編集用ファイルPPTXと原稿、必要な元データ
配布版実際に共有した形式と版番号
更新記録変更ページ、変更理由、確認した人
保留事項未確認の条件と、確認する担当

今回の資料例では、出典URLと確認日を各スライドのノートにも残しました。
価格を更新するときは、スライド4の表とノートの確認日を一緒に見直せます。

共有前の承認を工程に入れる

社外へ出す資料では、誰が最終確認するかも先に決めます。
作成担当が文章とレイアウトを点検し、サービス担当が対応範囲や料金を確認する、といった分担が考えられます。

AIが下書きを作っても、会社として約束する範囲を決めるのは担当者です。
特に、対応期限、料金、成果の保証などは、確認していない条件をそのまま配布しないようにしてください。

よくある質問

無料ツールだけで業務資料を作れますか?

文章の下案や構成の検討から試すことはできますが、必要な書き出し形式、編集機能、利用条件はサービスやプランによって異なります。
無料かどうかだけで選ばず、扱える情報、PPTXへの出力、共同編集、社内の確認方法が目的に合うかを確かめてください。
本記事では各ツールの料金や優劣を比較していません。

AIが作った数値やグラフはそのまま使えますか?

出典と計算過程を確認してから使います。
グラフの見た目が自然でも、元データがない数値を実績として掲載することはできません。
説明用の仮定を使う場合は、その旨と条件を明記し、実データと混ぜないようにします。

まず何から始めればよいですか?

よく使う資料を一つ選び、読み手、判断してほしいこと、使える根拠を整理してください。
最初は構成と原稿までをAIに手伝ってもらい、確認できた内容からスライドへ進む方法が取り組みやすいでしょう。

最初の一つを、直せる資料として仕上げる

AIを使った資料作成では、目的、根拠、ページ構成をそろえてから見た目を整えます。
共有前には、数値の条件、編集できること、書き出し後の表示を別々に確認しましょう。

今回の5枚の例と確認表を使い、まず自社の資料で不足している根拠や確認担当を洗い出してみてください。
支援範囲はアセントウェブのAI顧問でご確認いただけます。

資料の作成・確認・更新で手間がかかっている箇所をお知らせください。自社で続けられる進め方をご相談いただけます。