Shopify制作の見積もりを比べるとき、最初にそろえたいのは「いくらで作れるか」より、何を納品し、誰が商品登録や運用をするかという条件です。
同じストアでも、既製テーマの設定だけを頼む場合と、商品移行や在庫連携まで任せる場合では、必要な作業が変わります。

予算は、公開までの費用・継続して払う費用・注文に応じて増える費用の三つに分けてください。
この記事では、見積もり依頼に使える要件表と、初年度の支出を整理する計算例を紹介します。
計算例は説明用の仮定であり、アセントウェブの料金や市場相場、実際の受注案件を示すものではありません。

Shopifyの制作予算を考え始めた方へ。商品数や必要な機能、公開後の担当範囲から、見積もりに必要な条件を整理します。

制作を頼む範囲で費用を整理する

Shopifyの利用料と制作会社への依頼費は別に考える

Shopifyの利用料は、ストアを運営するためのサービス料金です。
制作会社への依頼費は、要件整理、デザイン、設定、商品登録、移行、テストなどの作業に対して発生します。

公式料金を見て、その金額だけで外注による制作まで完了するとは考えないようにします。
反対に、制作会社の見積もりにShopifyの利用料が含まれているとも限りません。

費用の区分含めるもの確認する相手・資料
公開までの費用制作、初期設定、素材、商品登録、移行、テスト制作会社の見積書と作業範囲
継続費用Shopifyプラン、アプリ、ドメイン、保守や更新支援各サービスの料金条件と運用契約
注文等に連動する費用決済、従量制アプリ、配送・梱包など決済条件、アプリ料金、物流契約

支払先が違う費用を一つの「月額」にまとめず、契約と請求の単位を残すことが大切です。

初期設定と独自デザインを分ける

既製テーマを使う場合でも、ロゴ、色、写真、ナビゲーション、商品一覧、商品ページなどの設定は必要です。
「テーマを使用」と書かれた見積もりなら、どこまで調整するかを確認します。

独自の見せ方を求める場合は、追加する部品、対応する画面、スマートフォン表示、修正回数を具体化してください。
デザイン案を作る作業と、その案を実際のストアで動く形にする作業が、両方含まれるかも見ます。

移行と連携は独立した作業として扱う

既存ECから移行する場合は、商品情報を移すだけでは終わりません。
画像、バリエーション、顧客・注文データの扱い、URLの変更、旧ストアを止める時期を整理します。

倉庫や在庫管理との連携が必要なら、連携先の名称、対象データ、更新のタイミング、エラー時の担当まで伝えます。
「在庫連携あり」という一行では、接続確認だけなのか、運用時の障害対応まで含むのか判断できません。

商品と運用の要件を見積もりに渡す

商品数に加えてバリエーションと原稿の状態を伝える

商品が20点でも、それぞれに色やサイズがあれば、管理する組み合わせは増えます。
商品数、管理単位、画像枚数、説明文の有無を分けて伝えてください。

素材が完成している場合と、撮影や説明文の制作から必要な場合でも、依頼する仕事が変わります。
次の表を埋め、未定の欄は空欄のままにせず「誰がいつ決めるか」を書きます。

要件記入すること見積もりで確認すること
商品・バリエーション商品数、色・サイズ、管理する組み合わせ初回登録の件数と追加分の単価
写真・説明文支給できる資料、足りない素材撮影・加工・原稿作成の範囲
決済・配送利用する方法、配送地域、送料条件設定と確認に含むケース
移行現在の仕組み、移すデータ、残す情報データ整形、移行確認、URL対応
在庫・倉庫連携先、更新間隔、担当者初期接続、検証、障害時の対応
公開後の更新更新頻度、作業者、相談先操作説明、保守、追加作業の料金

発送・返品まで担当を決める

注文後に誰が受注を確認し、梱包して発送するかを決めます。
キャンセルや返品があった場合の連絡、返金、在庫の扱いも、サイトの画面とは別に運用の決定が必要です。

制作会社が行う設定と、事業者が判断する販売条件を分けてください。
運用が決まらないまま制作すると、あとから送料条件や通知内容を変更する仕事が発生しやすくなります。

比較する会社には同じ条件を渡す

A社には商品登録まで依頼し、B社にはデザインだけを依頼したまま、総額だけを比べるのは避けます。
同じ要件表を渡し、「含む・含まない・別途見積もり」で回答してもらうと、違いを説明しやすくなります。

追加料金になる条件も確認してください。
商品数の増加、連携先の変更、支給素材の遅れ、公開後の修正など、変更が起きた際の見積もり手順をそろえます。

公開までの費用を分解する

テーマ・制作・素材を別々に確認する

無料テーマを使う場合、テーマの購入費は不要でも、制作や設定の作業費までゼロになるわけではありません。
有料テーマなら、購入する人、契約するストア、更新やサポートの確認先を記録します。

撮影や文章制作が必要な場合は、納品数と利用できる範囲を確認します。
「素材作成一式」ではなく、商品写真、トップの写真、バナー、説明文などに分けると、支給できる部分を判断できます。

登録・移行・テストを見積もりから落とさない

商品登録は、情報を入れるだけでなく、画像の対応、価格、バリエーション、在庫表示を確認する仕事を含みます。
移行なら、移した件数と例外、旧URLからの案内をどこまで確認するかを決めます。

公開前の作業納品・完了として確認するもの見積書への質問例
デザイン・テーマ設定合意したページとスマホ表示どの画面まで調整し、何回修正できますか
商品登録対象一覧と登録内容の照合バリエーションと画像確認も含みますか
移行移行件数、対象外、エラーの記録移せない情報と旧URLはどう扱いますか
決済・配送の設定合意した購入条件での確認結果送料や通知の確認はどの条件で行いますか
操作引き継ぎ商品更新・受注対応の手順担当者が操作する時間と資料は含まれますか

見積もりを下げたい場合は、この表の仕事を自社へ戻せるかを検討します。
確認そのものを省くより、担当を変えられる部分を探す方が、公開後の不明点を残しにくくなります。

見積書の総額だけでは、公開後に必要な作業まで含まれるか分かりません。制作・商品登録・運用の分担をそろえて比較したい方はご相談ください。

毎月の費用と売上に連動する費用を計算する

公式プランは契約期間と通貨をそろえる

2026年10月23日に確認したShopify日本向け公式料金では、主要3プランは次の表示でした。
通貨は日本円です。キャンペーン価格は含めていません。

プラン月払いの表示額/月年払いの月額換算表示
Basic4,850円3,650円
Grow13,500円10,100円
Advanced58,500円44,000円

年払いの月額換算を、毎月その額だけ支払う契約と混同しないでください。
予算表には契約期間、実際の請求時期、更新日も残します。

Shopify利用規約の料金条項では、適用される税金は料金に含まれないとされています。
上の金額に必要な税を含めた支出額は、契約時の請求条件で確認してください。外貨建てのテーマやアプリを使う場合は、通貨と換算日、カード等の換算条件も別に記録します。

アプリは月額だけでなく利用量と請求先を見る

アプリには、定期料金、利用量に応じた料金、一回限りの料金などがあります。
Shopifyとは別の請求周期や、アプリ事業者から直接請求される契約もあるため、一覧に分けてください。公式:アプリの請求

「アプリ3個」と数だけをそろえるより、何をするために必要で、どの利用量から支出が増えるかを確認します。
無料期間の終了日や、使わなくなった際の解約先も記録しておくと管理しやすくなります。

決済手数料と外部サービスの取引手数料を分ける

決済にかかる費用は、プランだけでなく、カードや決済方法の条件でも変わります。
Shopify ペイメントを使う場合と外部決済サービスを使う場合を分け、適用される料金を確認します。公式:Shopify ペイメントの手数料

一つの料率を、全売上にそのまま掛けないことが大切です。
決済方法ごとの対象金額、固定料金の有無、外部サービスの取引手数料が加わる条件をそろえます。

初年度予算を「初期+継続+変動」で並べる

予算表では、次の式を出発点にできます。
請求周期や契約の途中変更がある場合は、実際の請求回数へ置き換えてください。

初年度の支出予算=公開までの費用+継続費用の年間合計+注文等に連動する費用の年間合計+予備費

次は計算の仕方を示すための仮定です。
いずれも税別として置き、制作相場・当社料金・売上予測を示していません。Shopifyの現行プランや料率を代入した例でもありません。

項目仮の条件年間の計算額
公開までの費用作業範囲をそろえた見積もりを60万円と仮定600,000円
継続費用プラン・アプリ・運用支援を合計15,000円/月と仮定180,000円
決済に連動する費用対象取扱額50万円/月、仮の料率4%、他手数料なし240,000円
予備費追加作業用に50,000円を仮定50,000円
上の4項目の小計600,000+180,000+240,000+50,0001,070,000円

この小計には、商品原価、送料・梱包、広告、社内人件費、税金などを含めていません。
事業全体の必要資金を出すときは、別の行に追加します。月平均の予算とは別に、年払いなどの支払月に資金を用意できるかも見てください。

自社の数字を入れるための入力欄

計算例をそのまま予算にせず、次の欄を自社の見積もり・契約条件で埋めます。
決まっていない費用はゼロにせず「未確認」として残してください。

入力項目記録する内容確認元
初期費用金額、通貨、税区分、作業範囲、支払日制作・移行・素材の見積書
定期費用契約単位、請求回数、更新日、無料期間プラン・アプリ・保守の契約
変動費対象金額や件数、料率、固定額、上限決済・従量課金・配送の条件
外貨の換算元通貨、仮定したレート、確認日支払方法の換算条件
未確定分決める内容、確認先、期限社内担当・依頼先

売上が増えた場合は、決済だけでなく、アプリの利用枠や受注対応の作業量も増えるかを確認します。
プラン変更は手数料差だけで決めず、必要な機能と固定費の変化を同じ表で見ます。

予算を抑える範囲と検収条件を決める

初回公開に必要な仕事を絞る

最初からすべての連携や独自機能を実装する必要があるかを確認します。
購入に必要な説明、決済、送料、受注後の対応を先に整え、利用状況を見てから追加できる機能は分けます。

写真や原稿を自社で用意する、初回の商品を絞る、テーマの標準機能を生かすといった方法もあります。
ただし、自社作業に戻した分の担当時間を確保できるかまで見てください。

注文から引き継ぎまで、完了の条件を残す

Shopify公式は、ストア設定や決済設定を変更する際のテスト注文を案内しています。
公式:テスト注文を行うを参考に、利用する環境と決済方法に合った確認方法を決めてください。

以下は依頼時の確認表です。本記事の制作では利用可能なテスト環境がなく、実注文・決済・返金を実施した結果ではありません。

確認対象合意する完了条件
商品・カート商品、数量、バリエーションが意図どおりに入る
決済・送料合意した条件で購入を進め、料金表示を確認できる
受注・通知担当者が注文内容と通知を確認できる
在庫・発送実装範囲内の在庫処理と発送手順を説明できる
キャンセル・返金対応する方法、担当、確認範囲が決まっている
引き継ぎ自社の担当者が商品更新と注文確認を操作できる

テストモード中は通常の購入を受けられない場合があり、実決済による確認では手数料が生じる場合もあります。
すでに販売中のストアなら、実施時期と影響を担当者間で確認してから行ってください。

公開後の問い合わせ先、修正受付の期間、保守契約が終わった後の扱いも引き継ぎ資料へ残します。
制作完了と、日々の受注業務を回せる状態を一緒に確認することが重要です。

Shopify制作費用についてよくある質問

無料テーマなら制作費も無料ですか?

テーマの購入費と作業費は別です。
設定、素材の準備、商品登録、検証、操作説明のうち、誰が何を行うかで依頼費が変わります。

アプリの利用料は見積もりに含まれますか?

依頼先の見積条件によります。
初期設定だけ含み、毎月の利用料はストア側が払う場合もあるため、金額と支払先を分けて確認してください。

制作会社の見積もりは相場だけで選べますか?

金額帯だけでは納品内容を比較できません。
商品数、素材、移行、連携、確認範囲、引き継ぎをそろえ、その条件で提示された金額を比べます。
安さだけでなく、自社で担当する仕事が実行可能かも見てください。

公開後のSEO対策も依頼に含めるべきですか?

商品情報や検索への掲載設定など、公開時に整える範囲と、公開後に改善を続ける範囲を分けると見積もりを比べやすくなります。
具体的な点検は、ShopifyのSEO対策ガイドも参考にしてください。

まず同じ要件表で見積もりをそろえる

最初に行うことは、商品・素材・移行・連携・運用担当を一枚の表にすることです。
その表をもとに、公開までの費用、継続費用、変動費を別々に回答してもらいます。

アセントウェブのECサイト制作支援では、商品と運用の条件に合わせたサイトづくりをご相談いただけます。
まだ決まっていない条件を明らかにし、制作範囲と公開後に必要な作業を整理していきましょう。

初期費用だけでなく、公開後に続けられる予算を考えたい方へ。商品登録や受注業務の担当も含め、無理のない制作範囲を一緒に確認します。